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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第16章 ★行かないで

「………分かった」


「……………!!」




腕の中で、美和が小さく呟いたから

力を緩めて、ゆっくりと体を離す。




「………美和」

「えへへ、ごめんね。
ワガママ言っちゃった」




美和はふっと優しく微笑むと


肩からジャケットを外し、俺の手に渡した。




「………理由が何であっても

ヒメが行かなきゃって思ったなら

きっとそれが正しいのよね」


「…………っ」


「私……

何の力にもなれなくて、ごめんね……

ヒメが戻ってくるの、ここで待ってるね」




立ち尽くす俺の前から1歩下がると、美和は入口に足を向ける。




「………美和!」




ドクっと心臓が鳴って、思わず後ろからその手を掴む。


美和はゆっくりと振り返ると、俺をじっと見つめた。




………そして………




「………私は

“ 時間なんて気にしねぇ ” 」


「…………!!」




夜空に輝く星のような


キラッと光る笑顔を浮かべて


美和は俺の手を握り返した。




「………あの時


ヒメが一条さんのマンションの前で、私を出迎えてくれたように……


ヒメが私の所に来てくれるまで


いつまででも待ってるわ」

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