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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第18章 ★交代

「………蓮」


「分かってる」




照明に照らされて、黒髪と茶髪がキラキラと光る。


すれ違う途中で並んだ2人は、お互いに前を見たまま顔を合わせない。




「ヒメ、俺だってそうだ。

お前が願うような世界であればいいと思ってる」


「……単なる戯言を真に受けるんじゃねーよ。

永遠に叶わないんだ」


「あぁ、そうだな。

………それでも

想いを遂げる方法は、きっとひとつじゃない」




蓮が静かにそう呟いた後、ヒメは無言のまま再び足を進める。


………傍から聞いただけでは把握できない、不可解な会話でも


なぜか2人の間に、絆のような糸が見える気がした。




「美和」




野外ステージを後にしようとした、その後ろ姿に向かって蓮が呼びかける。


振り向いた美和さんに、蓮は優しい声で続けた。




「俺との約束、忘れるなよ」


「…………!」


「その泣き虫、美和に嫌われたら生きていけないから。

………許してやって」




蓮の言葉に、ヒメは舌打ちをして美和さんの手を引っ張ると


笑顔でコクンと頷いた彼女と一緒に、暗闇へと消えていった。

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