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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第19章 ★幸せの花びら

2人の姿が見えなくなると、蓮はあたしから手を離した。




「……ヒカル、顔」

「え!?」




腕にその熱さがまだ残っていて、思わず後ずさり。


ダラダラと汗が噴き出るあたしを、蓮はじっと見つめる。




「そんな真っ赤な目して、こんな時間に1人になるなよ。

ヒメが来たから良かったけど、誰かに襲われたらどーするの」


「…………っ」


「危機感無いところ、いいかげん直せよな」




その微笑みも、その声も、何もかもが優しくて


蓮の瞳を見続けることが出来ず、あたしはパッと目を逸らした。



………こんな時間って言ったって、都内のど真ん中。

色気の無いアラサー女を襲う奴、どこにもいないってば。



………蓮の言葉は、いちいち心を刺激する。

どれだけ人をブチのめせば気が済むんだよ……




「ヒカル、腹減ってない?」

「へ!?」




蓮がまた唐突に話を吹っ掛けるもんだから、変な声が出てしまう。


返事をする前に、蓮は座席に置いたままのあたしのバッグを手に取った。


その目が、隣りの席に置かれたビールとハンカチを見つける。




「……はは、あいつ優しいな」




蓮は笑いながらそう呟くと、その2つをあたしの手に渡した。


……あんたもそうでしょ……


心の中でツッコみながら、受け取ったヒメの優しさを握りしめる。




「それは今後、弱みを握る時の切り札として使えるから、大事にとっておきな」


「……蓮……」


「終電までまだ時間あるだろ。
メシ食いにいこうぜ」

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