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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第22章 ★フライングプロポー…ズ?

「……ねぇ、蓮」

「ん?」

「あれ……ここに来た時に見つけちゃったんだけど……///」




唇が離れたタイミングで、ソファの横に置いてある紙袋に目を向ける。


40センチ四方の紙袋には、パリに本店がある有名ブランドのロゴが光っていて


重厚なボルドー色の包装紙に包まれた箱が入っていた。



「……言い訳に聞こえると思うけど」



蓮は気まずそうに溜息をつく。



「あれを買ったのは、3月に出張に行った時なんだ。
遅くなったけど、バレンタインのお礼」

「………!」



蓮は手を伸ばして紙袋を引き寄せると、箱を出して私の膝の上に乗せた。


“ 言い訳 ” だなんて……


このタイミングでプレゼントだと、罪滅ぼしみたいな感じがするからって意味なのかな?


そんなこと思わないのに……///


ドキドキしながら、リボンを解いてフタを開けると……




「………蓮。破産するわよ?」

「こう見えても稼いでるから」

「……でも、これ……」

「クリスマスにも瑠璃から時計をもらっていたのに、俺からは何も贈ってなかったし」




さらっとそう言うけど……


あの時計とチョコレートを足しても、今私の膝に乗っているこの価格には及ばない。


年末のフライトで行ったパリで、同僚の子に付き合って本店に行ったから、値段を知っている。


定番人気はジュエリーだけど、革製品も取り扱う老舗ブランド。


………蓮がホワイトデーとしてプレゼントしてくれたのは、日本に未輸入の新作ハンドバッグだった。

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