♡*:。.rena's world story.。:*♡
第31章 ♥隠れて甘いkissをして/propose1
ღ .: side 香 *・゚・*:.ღ
「今日の髪型もメイクも、似合ってて一段と可愛いよ」
「ありがとうございます」
「……香。
そろそろ機嫌直してくれない?」
「あたし、海老沢です。
ここ、会社ですよ。 “ 立花先輩 ” 」
あたしの冷たい言葉に
食後のコーヒーを飲みながら、立花先輩はがくっと項垂れた。
隼人さんがスペインに旅立ったその年の、12月23日。
クリスマスイヴの、1日前。
お昼の社員食堂。
珍しく、先輩からランチのお誘いがあって
嬉しい褒め言葉と、社内では封印されてるあたしの名前を呼ぶ甘い声。
いつもだったらジャンプして喜ぶけど
あたしの心は1週間前からどんよりと曇っていて、未だに晴れ間が見えない。
「……悪かったよ」
立花先輩は、申し訳なさそうに手を顔の前で合わせる。
「言い訳するつもりはないんだけど、俺も本当に気付いてなかったんだ。
……あんなところに写真があったなんて……
でも、マジでごめん……」