♡*:。.rena's world story.。:*♡
第5章 ♥ノックアウト
「情けねーよな。
メガネが本性を現した時、血が逆流するくらいキレてたんだけど。
彰が飛び出していくまで、動けなかった」
隼人は私から目を逸らして、切ない表情で続ける。
「俺は由宇を驚かせたり、楽しませることだったらいくらでも思いつくけど。
あの男が言ってた、時間に余裕があって安定っていうのも、大事なことなんだよな。
……一緒に居ることが、安心できる1番の要素なんじゃないかって。
最近特に、そんな事思ってた」
「…………っ」
ドクンと心臓が鳴る。
少し前に、バスルームで『寂しい?』って聞かれたことを思い出した。
直樹君は公務員で、アンジーとは時間の流れ方も正反対だって
私が、シゲさんのBARで話したことも……
「俺と結婚したことで、昔の友達や知り合いに会い難くなってるのに。
張本人の俺がいつも傍にいてやれないんだから、お前は淋しくて当たり前なんだよ」
「………っ 隼人……」
「それなのに文句ひとつ言わないから。
逆に不安になんだ。
……由宇、俺はお前を
幸せにしてやれてるかな……?」
…………………っ