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第8章 ☆想いと言葉

………………………………………………



はぁ……はぁ……っ



お店を出てから、マンションまでの並木道をひたすら走った。



心臓がバクバク鳴って、壊れそう。




「……………っ」




乱暴にドアのカギを開けて、パンプスを脱ぎ捨てると

そのままバッグを放り投げて、リビングのソファに突っ伏した。


夜の8時。

翔ちゃんはいつものように、終電近くまでは帰ってこない。




「……私、最低………」




暗い部屋はこんなに冷えてるのに、全身の火照りが治まらない。




甘い香り

彼の瞳




最低だって思うのは、結婚してるのに他の人にキスをされたから。


だけど、それだけじゃない。



無意識のうちに


一瞬でも、それを受け入れた自分がいたということ。




さっきまでの時間を思い出して、私はぎゅっと唇を噛んだ。

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