テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第8章 ☆想いと言葉

『も、もう……
からかうにしては、冗談きついよ?』




私はなんとか余裕を振舞って、彼に微笑む。




『イケメンのパティシエさんから、こんなサービスがあるなんて。

普通だったら勘違いしちゃうよ。

同じサービスなら、私はフルーツケーキの方がいいな』




ドキドキする胸を抑えて、なるべく平常心でジョークを言ったつもり。


だけど


彼はまた真剣な顔になって、私を見つめた。




『……サービスなんかじゃないです』




さっきと同じ低い声で、彼は続ける。




『一目惚れしたのは本当です。

だから、貴方の笑顔を見て、瞬間的にキスしたくなった』


『…………っ』


『その左手の薬指も、ちゃんと見えました。

だけど、今こうしてる時間も、好きな気持ちが溢れてくるんです』




……胸がきゅうっと締めつけられる。


こんなに心臓が痛くなったこと、今まで無いかもしれない。




『さっきは衝動に駆られて、環境は関係ないって言ったけど……


指輪を見たので、迷惑をかけるつもりはありません。


ただ


許してくれるなら


………このまま好きでいさせてくれませんか?』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ