仰せのままに
第1章 お帰りなさいませ。
『そろそろ、帰宅されます。』
エプロンの首下に付けられたマイクから、その声が聞こえると、
私は、玄関へ向かう。
「お帰りなさいませ。
和也様。」
「ん。ただいま。」
荷物を受け取ろうとすると、
「これくらい、持ってけるわ(笑)」
歩き出す。
「失礼しました。」
と、返すと、
「今日は、お出迎えないんだ。」
「和也様が、必要ない、と昨日おっしゃりましたから。
やはり寂しいですか?」
「んーや、面倒くさくなくて良い。
明日からも、真子(マコ)だけでいいから。」
「かしこまりました。」
木の扉を開けて、
「お食事は、6:30になりますので。
それまでは、お休みになられてください。」
「ん、じゃあ真子と遊ぶ。」
「……はい?」