仰せのままに
第1章 お帰りなさいませ。
「暇潰し、してよ。」
「ですが、仕事が…」
「俺専属、でしょ?主人の言うこと聞かないの?」
「…仰せのままに。」
やんわりと頭を下げると、
イイコって、頭を撫でられて、
そのまま、ベッドに押し倒される。
押し倒した本人は、私の顔の横に手をついて、
足も、私の太股の横。
「ね、真子って、誰の言うことも聞くの?」
「まぁ、和也様の親類であれば。」
「じゃ、友達とかでも?」
「その方が、願うのであれば。」
「ふーん、
気に入らね。」
最後の一言に、胸が締め付けられて、
苦しい。
そう、紛れもなく、誤魔化しようもなく、私は、
私の主である、二宮財閥次期当主、
二宮和也に、
心を奪われてしまった。