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仰せのままに

第7章 戻った時間

久しぶりの、そのドアを開ける。


「失礼致します。」


部屋の中央にある、ソファーに

和也様は居て、

何かを、読んでいた。

「久しぶり。」

顔は、そのまま、口だけ動かして、

呟いた声は、


私が、一番聞きたかった声。

「何を、お読みになっているのですか?」

「ん?あぁ、中学ん時の卒業アルバム。」

ゆっくりと、近づいて、

「あっ、、」

息を飲んだ。


「懐かし?」

私に向けて、ページを数枚捲りながら、

思い出を振り返る。

「時間って、取り戻せると思う?」

「はい。強く願えば。


何か、後悔しているんですか?」

「まぁね。」

「じゃあ、私も一緒に願います。

和也様が、望むことなら、

私も望みます。だから…」


言葉を発しようとした時、





胸元のリボンが引っ張られて、





唇が重なった。

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