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仰せのままに

第7章 戻った時間

「んっ、、!?」


重なった唇は、

隙間の無い位に密着してから、

ゆっくり離れた。


「じゃあ、願ってよ。


『真子を自分のものにしたい』って、

俺の願い。」


真っ直ぐな視線に、焼かれて、


思わず頬を染める。


「好きなんだけど。」

長い指で、顎をクイッと上げられ、


目が合う。

「カレン様とは、、?」

「カレンとは、別れた。」


なんで。と言葉にする前に、

「お前の事が、忘れられなかったの。」

親指が、頬の輪郭を辿って、

くすぐったい。


「真子は?」

挑発的な、口調に、


「私は、、、」


酔ってしまったようだ。


「私は、最初から、諦めてました。」


辿っていた指が、動きを止める。

「もう、諦めなくて、いいですか?」


強めの口調のはずが、


なぜか、震えている。

「ずっと、俺のこと想い続けろよ。」


背中に回された手に、

強く抱き締められる。


「俺のことしか、考えられなくなって、依存して、それで、


一生、離れんな。」

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