妹萌えフラグ3
第10章 妹の感情
「お、お兄ちゃん…」
ユイが絞り出すように、呟く。
俺はユイと目もあわせずに、そそくさと部屋をでた。
守兄ちゃんが、同居するからには、少しの油断も命取りになる。
俺が、守兄ちゃんの見ている前で、ユイとヤれば、守兄ちゃんに勝ったことになるのだろうか…?
いや、端っから、この勝負に勝ち負けはないのだ。
あるのは、ユイから向けられる感情だけ…。
ユイの感情が、俺たちの気持ちを決める。
喉に引っ掛かるような、この気持ち悪い違和感の正体を知るまでは、守兄ちゃんとまともに話をするつもりはない。