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LAST SMILE

第5章 リストバンド







「モッチーの言ったことは気にすんな。
 だけど、嫌いとか言うなよ。同じメンバーだろ?
 モッチーには俺から言っとくからさ」


「亜貴、一発かましてやれよ」


「ばーか。たけしも練習しないと、
 こんどはお前も言われるぞ」



亜貴がそう言うと、
武田くんは楽譜にくいつくように練習を始めた。


磯部くんもその言葉を真に受けて練習し始める。


磯部くんにとって、あいつは尊敬する先輩だもんね。


そりゃあ怒られたくないわけだ。



取り残されたあたしに、亜貴が耳元で言った。



「麗華、ちょっと」



「え?」







亜貴に呼ばれて、別部屋に移動する。


ドラムやギターの音が少し小さくなった部屋で、
亜貴はあたしに座るようにいった。


自分もあたしの隣にすっと座る。


「何?どうしたの?亜貴」


亜貴はあたしの顔をじっと見ていった。


「あのな、モッチーのことなんだけどさ」


「うん」





「あいつ、この間のこと気にしてるんだよ。あれでも」


「え?」


この間って・・・。
あの騒ぎのことでしょ?



なんであいつが?





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