二人の未知〜X'mas短編
第1章 エピローグ
「ホントは‥
やり直したいって思って‥
今日ちゃんと、気持ち伝えて‥‥っ
でもお前、片想いの奴のこと好き過ぎてどうしていいか解んないなんてゆーし‥‥
しかも、別れた彼女と拠り戻せなんて説教こくから‥苛ついて‥ッ
でも、やめる‥ごめんな…もうっここにも来なっ‥」
自分に触れられてあんなに嫌がられたら辛い‥
「もうしないから‥
泣くなよ‥」
「なんで‥‥っ!」
奈美は叫ぶ──
「なんでって‥‥」
「やめないでっ‥
好きなら‥‥っやめないで!!」
「──?!
‥な‥に言って‥っ」
奈美は自分から身体を離そうとしたトオルを抱きしめた
「好きだったの‥っ
ずっと‥
初めて会った時からッ‥」
「──‥ぇ?」
「トオル、モテるし遊んでるから、あたしなんか相手にしてもらえないって‥
付き合えてすごく嬉しかった‥でも、一緒にいてわかってたから‥‥
トオルはあたしのこと何とも思ってないって‥」
「‥奈美」
「二股かけられても何も言えなかった‥
言ったらうっとうしい女だって思われるって‥
こんな関係嫌だってずっと思ってた‥
別れたくないけど終わらせたいって‥ずっと‥思ってて‥」