I'll be with you.
第11章 不安と嫉妬
探さなくてもわかる。
一人だけズバ抜けて目立つ顔と
昔から発揮していたそのセンス溢れる私服
窓側の席で空を見上げるその横顔は男の俺でも息を呑むほど神秘的に見えた。
その姿に一瞬声をかけるのを躊躇ってしまうほど、窓から見えるその景色とマッチしていた。
「心、ちょっと付き合えよ」
日本には滅多にいない深い青の瞳
その瞳がゆっくりと俺の姿を捉えると、よくわからない違和感を感じた。
「……俺は弱かったんだ。
綺麗すぎる思い出から……
取り戻せない思い出から……
……ただ、逃げたんだ…」
優の不安も、俺達の疑問も
全部見えているかのように声を絞り出す心の瞳は
孤独と恐怖に満ちた目をしていた。