I'll be with you.
第11章 不安と嫉妬
大学の前で未来ちゃんが来るのを光輝君と待っていると、一台の高そうな車が大学の前に止まっていた。
『高そうな車だね……』
「この車最近よく見るわ。
毎日毎日、邪魔くせーよなー」
……毎日止まってるんだ
すると2つ向こうの信号から未来ちゃんが手を振ってる姿が見えたので、私達は未来ちゃんに手を振り返した
これから、3人でスーパーに行って食材を買って、家に帰ってご飯を食べて
いつものように泊まって
それから夜になったら心君から電話が来て
私が眠りにつくまで
ずっとあの優しい声を聞けるんだ
目を閉じて電話越しの声に耳を澄ますと
優しく笑ってみせたり
無邪気に笑ってみせたりする心君の表情
” 優 “って何度も名前を呼んでる姿を思い浮かべるんだ。
それはきっと今日も…………
「待てよ!!
───心!!」
カナの叫びにも似た声
その声で叫んだ名前
『…………心君?』
大学の前に止まっている車から降りてきた一人の女性。
付けていた大きなサングラスをズラして何かを確認すると長い脚で歩き出す。
……そっちには行かないで
一歩ずつ確実に彼の方に向かって歩を進める女性
彼女は彼の前で止まるとサングラスを外して目線がはるかに上な彼を見た
『……ずっと会いたかった…………
─────心……』
「…陽……」
みなみ……?
なんでそんな切なそうな目でその女性を見るの?
ねぇ……なんで
minaがここにいるの……?