I'll be with you.
第12章 SHIN
その瞬間、私がドアノブに手を掛ける前にドアが開いた。
『……ぅわッ!!』
一瞬で目の前が真っ暗になると、私の背中に回された腕にギューーッと力が入った。
「……部屋の鍵締めてるし、
声かけても出てこねーし、
電話かけてもでねーし……」
カナ……?
『心配かけてごめんね……』
カナはすぐに私と体を離すと頭をペシっと軽く叩いた。
「心配もいいとこだ。
飯も食わない、水すらも飲まない
トイレもしないし」
カナは、はぁ…と溜息をつくと片手で頭を抱えてリビングの方を指さした。
「早くトイレして、飯食え。
せっかく、未来が作ってくれたんだ。
残さず食えよ」
『……うん!』
カナの優しさに目がじわっと熱くなった。