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｢……言ったんだ…………｣



隣を歩く微かなカナの声を、俺は聞き逃さなかった。


俺より身長が低いカナの表情は前髪で隠れてよく見えないけれど、俺にはとても苦しそうに見えた……





｢……でも、



一人にはさせれねーじゃんか……｣









｢……！！｣







亜美を見つめるカナの横顔は、まるで過去の自分を見ているかのように、何かに追い詰められている顔だった。








｢カナ、同情だけはすんな。


亜美をもっと追い詰めることになるんだぞ。


……今、お前がしてることは後悔しか残らない選択だ｣







それでも、亜美を見つめるカナの瞳はゆらゆらと揺れながらも、どこか儚げで美しかった。







｢……遊び半分だった俺が悪いんだ。


中途半端な気持ちであいつに答えた俺が……｣








｢……全部、知ってたんだな｣








｢……ああ。


消えない傷を、


俺が残したんだ……｣







……亜美のあの傷はやっぱり