I'll be with you.
第3章 心君のお仕事が見てみたい!
私達は一度各自家に帰って、着替えを済ませた。
光輝君が私達の家に来るまで、カナはグランドホテルに電話して予約をする。
「18時に予約したいのですが…」
カナが電話と格闘している間に、チャイムが鳴った。
「お待たせー」
私が出ていく前に勝手に家に入り込んで来た光輝君。
そんな光輝君にお母さんは
『コウちゃん、トイレの電球切れちゃったから替えといてほしいなー!』
と、良いように使っている。
「この家何回電球切れるんだよ!
まったく!いっそのことLEDにしろよ!」
反発はしているものの、ちゃんと椅子を持ってトイレへと向かっていく光輝君。
光輝君がリビングから出て行ったのを確認すると、お母さんはテーブルに頬杖をついて光輝君が出ていった扉を見つめた。
『本当いい子よね〜♡
シンちゃんは全てがカッコイイんだけど、
コウちゃんは犬みたいで可愛いのよね♡』
要するに、みんなお母さんのお気に入り……
予約を済ましたカナはソファーに寝転がり、テレビを見て笑っていたけど、テーブルに置いていた携帯が鳴って体を起こした。
カナはその番号を見て、あれ?と言うとすぐに電話に出た。
「はい。
……心!?どーしたどーした!?」
心君の名前に反応して、電話口の心君の声に耳を澄ます。
「マジ!?わかった!みんなに言っとく!
でかしたぞ心!また後でな!」
カナはすごい笑顔で電話を切ると、トイレへと走って光輝君を呼びに行った。
「コウ!!電球なんて替えてる場合じゃねーぞ!!」
「なにー?」
光輝君の気のない返事も気にも止めずにカナは、はしゃいでいた。
「心が半額以下でホテル取ってくれた!!!」
「は!!?マジ!?」
「マジマジ!!」
私達は心君の御好意で
新しくできたホテルに安く泊まることになった。