I'll be with you.
第17章 2度目の恋
「陽…」
『ほら!笑いなさい!』
私は指で無理矢理、奏斗の口角を上げた。
『奏斗の笑った顔が見たいの……
お願い……笑って…っ』
目に焼き付けておきたいのよ……
その大好きな笑顔を……
奏斗は少しだけ俯くとすぐに顔を上げてジッと私を見つめた。
「……こころは陽にやるよ」
『……こころ?』
「……誰といても、
どこにいても、
例え、陽が誰かと付き合っても……
この先も、陽以上の女はいないって自信があるから」
そして、
目に涙を溜めながらも、必死に笑顔を作った奏斗……
街灯に照らされたその笑顔は
優しくて、今まで見たどの笑顔よりも
……綺麗だった
『ありがと……っ!』
奏斗の手を両手で握り締めた後……
奏斗に背を向けて歩き出した…
『じゃあね、奏斗…ッ!!』
泣かずに、最後は笑顔で奏斗とお別れをした。