I'll be with you.
第23章 孤独
《本当はある人が自分を見失わないように……》
こちらを向いて微笑んでくる陽に
一気に心拍数が上がった。
《こうなってほしいっていう私の願い…》
無意識に手を液晶へと伸ばして、その中にいる陽を掴もうとしたけど、大きな壁に遮られる。
「…陽……っ…」
触れることはできないってわかっていても、俺の手はまた液晶へと伸びていく
《私があなたになってあげる》
その姿は、本来の俺を映し出すかのようで……
強さも弱さも含んだ綺麗な笑顔だった…
《私は笑ったんだから
次はあなたが笑う番だよ!》
その言葉に
今まで築いてきた何かが音を立てて崩れた。
「…サンキュ……」
笑いながら泣いたのは初めてだった。
《精一杯頑張って。
じゃなきゃ、私はあなたを許さない》
ああ、わかってる。
絶対に負けないから。
頑張るから
いつか、必ず─────…