I'll be with you.
第4章 一夜…
「……っ」
何も言わず、私の体を強く抱き締めてくる心君。
私も心君の背中に腕をまわして心君の背中をポンポンと優しく叩いた。
『大丈夫、大丈夫…』
何があったかはわからないけど
心君はこの2年間ずっと一人で戦ってきたはずなんだ。
私の為に学校までやめた心君。
悔いはないって言ってた心君。
それでも、辛いことや上手くいかないことは絶対にあったはず
今まで、光輝君がいてカナがいて……
ずっとずっと一緒にいたみんながいない環境は心君にとっては相当寂しかったんじゃないかな?
「………優、俺さ…
優が思ってるほど強い人間じゃないんだ……」
『……心君は一人で頑張りすぎなんだよ』
「……ごめん」
目の前にいる心君は、小さな子供に見えた。