I'll be with you.
第7章 約束の花火
「久しぶり。やっぱここにいたか」
座っていたブランコの後ろから優しくて心地いい声。
『どこにいたか知らないけど、
3年間も連絡よこさないなんて随分と薄情ね?』
「忙しかったんだよ。悪かったな」
隣のブランコに立ち乗りした男。
昔も今も変わらずに、その美貌を振り撒いていたのね。
3年前に見た時よりも、表情が柔らかくて本当に楽しそう……
『なんか雰囲気変わったね、心……』
こんな笑う奴じゃなかったはず
「……俺もそう思う」
心はブランコを降りると私の横に立って一緒に星空を眺めた。
「なぁ、未来……」
『なに?』
「未来にだけは卒業するとき言ったよな」
『……言ってたね』
中学の時の下校風景と学生服を身にまとったみんなの姿が脳裏に浮かぶ。
あの時は…まだ少しだけ肌寒い風が吹いてたっけ……
《 俺は誰も悲しませたりしない。
全員が幸せになれる方法を見つけてやる 》
そう言った、汚れを知らない綺麗な想いを持った心を今でも鮮明に思い出せる。
『 ” それならまずは心自身が幸せにならないとね ” 』
四年前の心に贈った言葉を今もう一度贈るよ。
私の言葉に笑顔を返す心は、あの頃とは違い、
心を縛る何かがなくなったように清々しくキラキラと輝いているようだった。
「やっと俺が俺になれた気がするんだ」