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I'll be with you.

第7章 約束の花火

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*カナside*


未来が走って暗闇へと消えていく。




その背中が見えなくなるまで影でそっと見送った。





「隠れてないで、出てきなよ」




バレたか……




「見つかっちゃったな」




俺はさっきまで未来が座っていたブランコに腰掛けた。




「……俺が未来をもらうって?

お前、コウのこといじめすぎ」



「聞いてたのか。

そうでも言わなきゃ気付かないだろ」






でも、






半分本気だった






「……どーだかな?」





心は俺の考えを見透かしたようにニヤッと笑ってくる。




「なんだよ……」


「コウには未来がいないと心配だから?」


「……別に」




そう思わなかったわけじゃないけど



俺にとってコウはまだまだ世話の焼ける弟のような感じだから



目の前で、揺れながらも自分の気持ちに向き合おうとしてるコウを応援したかった。



それに、



俺には辛そうに見えたから。





だけど







「これで、やっとコウは苦しまずにすむんだな」





俺はそれだけで満足だ。




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