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夜が明けても傍にいて。

第13章 憂鬱な日々

「今日から俺の代わりを務める月下さんだ。
よろしく。」


課長が社員に愛花さんを紹介した。


「月下愛花です。皆さんよろしくお願いします。」


愛花さんが綺麗に微笑むと周りからは
“綺麗だな” “美人” “スタイル良すぎ”


聞きたくない言葉が次から次へと耳に入って来る。


「ああやって課長と隣に並んでると美男美女でお似合いだな。」



一番聞きたくなかった…。







「じゃ、行って来る。」


課長が出て行くと愛花さんも課長の背中を追ってオフィスを出てしまった。



二人が一緒に居るところなんて見たくない。
だけど、気になって仕方なかった私は


二人の後を追った。



廊下で立ち止まって話している二人の会話に隠れて耳を澄ませていると


「悪いが、1週間ハナのこと頼むな?」


---ハナ?


「大丈夫よ。ハナは私になついてるから心配しないで?何かあったらすぐに連絡するわ。」


「あぁ、よろしく。」


「じゃあね、慎也。いってらっしゃい。」



まるで恋人同士のようだった…。





ねぇ慎也…


愛花さんに大事なワンちゃんを預けたの…?


仕事以外でも二人は会ったの?




---私の憂鬱な日々は始まったばかりだった。

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