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夜が明けても傍にいて。

第17章 合鍵

目が覚めると慎也が私を見つめていた…。
とても優しい優しい目をしていた。


「おはよう。」

「おはよう。」


慎也の腕の中で目覚め、目の前に優しい慎也の顔がある。


なんて幸せな朝なんだろう。


仕事に行きたくないな…。
会社に行けば甘々慎也もお預けだし、寂しいな。


そう思いながら慎也の胸に顔を沈めた。


優しく髪を撫でてくれる慎也。
早く来月になって愛花さん、居なくならないかな…。


愛してるって言ってくれたのにいつまでこの不安は付きまとうのだろう。


「ねぇ慎也…。」


「ん?」


「信じてるから。」


「...?」


「私、慎也のこと信じてるからね。」


「...あぁ。」



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トーストとコーヒーで簡単に朝食を済ませると慎也は私を自宅へ送ってくれた。


「じゃあ、会社でね。」

「あぁ、後で。」


すぐ会社で会えるのに…やっぱり寂しい。


「...慎也…。」



「ん?」


「会社でも甘々慎也がいい。」


「フッ…できるわけないだろ?」


「ちぇっ…。」


「ちぇっ、ってお前。」



「今度いつ会える?」


---私は今夜でもいいよ…。



「週末だな…。」


「...わかった。」


忙しい慎也を過労死させるわけにいかないもんね。


我慢我慢。







「慎也、愛してる…。」




「...俺も、愛してる。」




愛の言葉を囁くほど慎也が悩んでいることなんて私は気付きもしなかったんだ…。

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