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夜が明けても傍にいて。

第17章 合鍵

---------…。



「お帰り、慎也。」


「ただいま、莉菜。旨そうな匂いだな。」


「うん、慎也が食べたいって言ってたロールキャベツにしたよ。」






私はなるべくいつもと同じようにふるまった。
結局どうしたらいいのかわからなくて


どこから落ちて来たのかわからない封筒を本の後ろに隠した。


やっぱり…隠してるってことだよね…。


几帳面の慎也が本棚にあの封筒一つだけしまうなんておかしいもの。



「莉菜?どうかしたのか?ぼーっとして。」


「ううん…。どうもしないよ。」


にこっ、と笑って見せた。








夕飯を終えてお風呂に入ると、いつものように慎也が求めて来る。


仕事でどんなに遅くなっても必ず一回はする慎也の体力は本当に凄いと思う。



だけどこの時の私は---


「...急に生理になっちゃって…お腹が痛いの…。」




嘘では無かった…。



タイミングが重なったことが今まで無かったから


断ったのは初めてだった。


偶然なんだけど気分も乗らなくて
ちょうど良かったと思ってしまった。


慎也は…残念そうに「そっか。」と言って私に腕枕をしながら、反対の手で優しくお腹を擦ってくれた。

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