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夜が明けても傍にいて。

第3章 あなたに抱かれる

朝になるとやっぱりあなたは居なかった。

冷蔵庫にはまた更にアルコールが増えて並んでいた。




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それから2ヵ月の間


彼に会いたい気持ちを押さえて電話を掛けるのは数日に1回か1週間に1回にした。


彼に飽きられるのが怖かったからだ。


電話をすればあなたは必ずその日のうちに遅くなっても来てくれた。


---でも、

彼の方から電話がかかってくることは無かった。


身体を重ねれば重ねる程、私の心は欲張りになっていく。



あなたに嫌われたくなくて
離れていってほしくなくて


話す言葉も選ぶようになって
会話らしい会話が出来なかった。




あなたが好き...。




だけど、どうすることもできない。


私にできることは
あなたのキスや舌や指の動きに全身で応えることだけ。


気持ちを込めて身体を重ねることだけ。
言えることのない“好き”が伝わるように

でも伝わらないように...。




帰らないで、ずっと傍にいて。


素直にそう言えたらどれだけ楽だろう...。



今夜もあなたに抱かれながら溢れる想いは涙となって頬に伝う。


あなたは一瞬ハッとした顔で動きをを止めたけどまた更に激しく動き出す。


けしてこの涙の意味を聞こうとはしない。


私は自分がどんなに苦しくても
あなたから離れることはできない。





あなたはそれをわかってる?









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