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夜が明けても傍にいて。

第18章 不信感

部屋へ入ると二人の空気なんてお構いなしでハナが飛びついてくる。


「ハナ、久し振り!元気にしてた?」


自分で口にしてから思った。

三日しか来ていないだけで、久し振りって感じるようになったんだなと。



慎也は何も言わずにソファーに座ったから私も隣にちょこんと腰を下ろした。



..................

.........…。


何から話せばいいのだろう。



「今日も…来ないつもりだったのか?」


「---…。」


先に口を開いたのは慎也だった。



「俺…何か莉菜が気にさわるようなことでもしたか?」


「…。」


「会社でも俺を見ようとしないし…。」


「…。」



---気付いてたんだ…。



「莉菜、黙っててもわかんないだろ?」




「...慎也は…



私に黙っていること無い?」



「…。」


慎也は戸惑っているような驚いているような顔で私を見た。


「私に隠していること、無い?」




...............

.........…。




沈黙の後慎也は…









「莉菜に隠していることなんか


何も、無いよ…。」








そう言ったのだった。

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