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夜が明けても傍にいて。

第19章 涙のbirthday

「莉菜?」


そんな顔で私を見つめないで…。



「俺は今…莉菜のことを


愛してる。」




以前は…すごく聞きたかった言葉なのに

今聞くとこんなに胸が苦しいのは何故?



「莉菜…。」




出逢った頃は…名前を呼んで欲しくてたまらなかったのに

今はこんなにも悲しくなるのは何故?






「俺から…離れて行くな。」



!!!




涙を拭って慎也の顔を見上げれば


慎也は…



涙は流していないのに


泣いてるような顔をしていた。





「莉菜…。」


慎也は私を強く強く抱き締める。




「...慎也…苦しいよ…。」


「…。」


「...苦しいってば…。」


「…。」




しばらくの間慎也は何も言わずにただ私を抱き締めていた。





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