夜が明けても傍にいて。
第19章 涙のbirthday
私は抱き締められたままいつの間にか、眠っていた。
そして、夜が明けていた。
初めて私の部屋で二人で朝を迎えたのに
なんだかとても切ない朝だ。
「起きたのか?」
「...うん…。慎也、ハナ…。」
「あぁ、今…帰る。」
「…。」
帰るって言ったのに中々慎也は帰ろうとしない。
「ハナが…待ってるよ?」
「莉菜も…一緒に行くか?」
「...。」
今日は休みだ。
今日は…慎也の誕生日プレゼントを買おうと決めていた日。
慎也の誕生日までにどんなことがあってもプレゼントだけは気持ちを込めて選ぼうと思っていた。
だから私は首を横に振った。
慎也はそんな私を見て寂しそうに
「わかった。」と言ってようやく立ち上がった。
玄関で見送る私に振り向いて慎也は何かを言い掛けた。
だけどそれは溜め息となって吐かれ、言葉として聞くことは出来なかった。
「じゃ。」とそれだけ言い残して
慎也は出て行った。
そして、夜が明けていた。
初めて私の部屋で二人で朝を迎えたのに
なんだかとても切ない朝だ。
「起きたのか?」
「...うん…。慎也、ハナ…。」
「あぁ、今…帰る。」
「…。」
帰るって言ったのに中々慎也は帰ろうとしない。
「ハナが…待ってるよ?」
「莉菜も…一緒に行くか?」
「...。」
今日は休みだ。
今日は…慎也の誕生日プレゼントを買おうと決めていた日。
慎也の誕生日までにどんなことがあってもプレゼントだけは気持ちを込めて選ぼうと思っていた。
だから私は首を横に振った。
慎也はそんな私を見て寂しそうに
「わかった。」と言ってようやく立ち上がった。
玄関で見送る私に振り向いて慎也は何かを言い掛けた。
だけどそれは溜め息となって吐かれ、言葉として聞くことは出来なかった。
「じゃ。」とそれだけ言い残して
慎也は出て行った。