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夜が明けても傍にいて。

第19章 涙のbirthday

私は買う物も決めずに街を歩いていた。
慎也に似合うもの…慎也が喜んでくれるもの…


慎也が…


普通…好きな人にプレゼントを選ぶ時ってウキウキしたり楽しいものだよね…。


はぁ---


もう何度目の溜め息だろう…。



そう思っていた時だった。



「莉菜?」


---え?


「莉菜…久し振り。何か...痩せた?」



-----春樹...。


サラサラした茶色の髪に、いかにもチャラ男と言われそうな服装。

相変わらずだけど…やっぱイケメンだな…。






「なんか雰囲気超暗いんだけど、
北崎さんと、何かあった?」


「ううん…何も…。」


「莉菜ってほんと、嘘が下手だよな。

丁度良かった、莉菜に話したいこともあるし、
あそこに入ろうぜ?」


春樹はすぐそこにあるカフェを指差した。



「...何?」


「ここじゃ何だから…。」




春樹にそう言われ私は春樹と二人でカフェに入った。


「アイスカフェラテでいい?」


「...うん。」


付き合っていた時もこうやって頼んでくれてたっけ…。



「話しておきたいことって、何?」






春樹の表情からして良い話の予感はしなかった。






「北崎さん…





莉菜のこと、







好きじゃないと思う。」

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