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夜が明けても傍にいて。

第19章 涙のbirthday

「莉菜…。」


「慎也…、ビールが温くなるから。」


また、俺の腕の中から逃げようとする。




「莉菜…。」




「...。」




「俺から…離れて行くなって言ったろ。」




…………………………………………………………

……………………………………。



「ごめんね……。」



莉菜は小さな声でそう呟いた。




「何で謝るんだよ。」


「…。」


「莉菜、何で謝るんだ?」


「…。」



床に一粒の雫が落ちた。



「慎也…乾杯しよ…。

二人で最後の乾杯をしよう?」


莉菜は声を震わせながら言った。




莉菜は…俺と別れるつもりだったんだ。



急に力が抜けて莉菜を後ろから抱き締めたまま床に座り込んだ。

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