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夜が明けても傍にいて。

第19章 涙のbirthday

莉菜は……


ハナに“バイバイ”と告げて出て行った。



俺はビールを飲む気分にも莉菜が作った飯を喰う気分にもなれずに寝室に入った。


電気も付けずにベッドに横になると枕元に何かが置いてあることに気付いた。


電気をつけて見ると、そこには可愛らしく綺麗な花が飾られていて、カードも添えられていた。





“慎也へ。


お誕生日おめでとう。


このお花はアスターと言って沢山の花言葉があります。

信じる、追憶、さようならetc...



信じることは出来なかったけど
信じたい気持ちはあった。

それなのに嫉妬ばかりで慎也の前ではいつも泣いてばかりいてごめんね。


最後も私きっと、泣いちゃったよね…?


慎也、最後の最後まで泣いてばかりでごめんね。


今まで本当にありがとう。


幸せを祈ってます。


明日からはただの課長と部下として
これからも宜しくお願いします。”







……………………。



莉菜っ…。




どんな気持ちでこの花を見ろっつーんだよ!!




---くっ…


クソッっ…



うぅっ………………ふっ……うぅ……。






涙が




止まらなかった。

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