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夜が明けても傍にいて。

第25章 溺愛の症状。

一人、自宅にて電話の前に正座している私。


お母さんとは時々メールしているけど、お父さんとはしばらく話していない。


お父さんのことは大好きだけど、話す度にいろんなことを聞かれるのは正直面倒な時もある。


生まれた時から自他共に認める我が子への溺愛っぷり。


アルバムにはお父さんと二人で写した写真が多すぎる。


小学生の頃までは、友達と遊ぶよりお父さんと遊んでいる時間の方が多かった。




私が初めて彼氏を家に呼んだ高校生の時、

お父さんには内緒にしていたのにご近所さんの噂話からお父さんの耳に入ってしまった。


急に自宅に男は連れ込むな、門限は7時だ、と言い出して私に厳しくなっていった。


お父さんが原因で彼とうまくいかなくなったのは言うまでも無い。


そしてお父さんと私の仲もギクシャクし出して喧嘩を繰り返すようになっていった。


お父さんは「お前が心配だから言ってるんだ。」
「何かあってからじゃ遅い。」「変な男に引っ掛かったらどうするんだ?」


そんなことばかり言っていた。


しつこく言われることに嫌気が差した私は、20才になったら家を出て自由にさせてもらう、と何度も言い張った。



数ヶ月間、粘りに粘って引かない私に
お父さんは渋々OKしてくれたんだ。




「わかった…。」


寂しそうにそう呟いた父の姿を今でも覚えてる。



だから…

あんなに寂しそうな姿…自分でさせておいて、もう見たくないって思ってしまうんだ。




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