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夜が明けても傍にいて。

第5章 切ないオフィス

---目が、腫れていた。

頭も痛い。

中々寝付けずにようやく眠れたのは朝方だった。


着信なんて来ているはず無いのに
携帯をチェックして


また長い一日が始まる。


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「莉菜、おはよ...ってアンタその顔どしたの?」

「美穂...おはよう...。」


「またアンタ、変な男に引っ掛かって無いでしょうね?」

「--変な男じゃないよ。」


「じゃあ、どんな男よ。」


--それは...


「とても、素敵な人。」


それは嘘じゃ無いから。



「その素敵な人に、泣かされた訳?」


「...私が勝手に泣いただけだし。」


「はぁ---、なんか最近様子が変だと思ったら
やっぱり居るのね?好きな人が。」


「---うん。」


「お昼にゆっくり聞かせてもらうから。」



私達はエレベーターに乗り込んだ。



戸がもう閉まり切ろうとした時
外側で誰かがボタンを押してまた戸が開いた。



中に入って来たのは

私が今一番会いたくて会いたくなかった
北崎課長だった。


「「おはようございます。」」

「おはよう。」


一瞬目が合ってしまったけど今の私の顔の状況を思い出してすぐに背を向けた。


「5階でよろしいですか?」


「あぁ。」



私のすぐ左後ろに課長が居る。



触れられてもいないのに


体温が上がって





息が詰まりそう。

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