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夜が明けても傍にいて。

第27章 私の知らない過去

二軒目のbarでも恋バナに花を咲かせて時計は夜の11時を回ろうとしていた。


携帯を見ても慎也から連絡は入っていなかった。


私も美穂と飲みに行くことはメール入れておいたから慎也が先に帰っていても心配しないだろう…。


「そろそろ帰ろうか?」

「うん。」


私達は店を出た。





目の前には空車のタクシーが列を連ねている。


「美穂、今日は付き合ってくれてありがと…」




タクシーに乗る前に美穂にお礼を言うと
美穂は反対側の舗道に視線を向けていた。


「美穂?どうしたの?」





「…あれ…北崎課長じゃない…?」


美穂の視線の先に私も目を向けた…。



!!!




---え…。



あの人…誰?




慎也と…慎也の隣を歩く女性。



私達には気付かずに…二人はタクシーに乗り込み
車は走りだして見えなくなってしまった。




「今の…課長だったよね…?」


「うん…。」


私が見間違えるはずが無い…。



「課長…今、家に帰るところなんじゃない…?」


「…かもね…。」




「莉菜…大丈夫?」



「...うん…。


きっと帰ったら今日のこと


慎也から話してくれるよ…。」



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