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夜が明けても傍にいて。

第29章 二人の未来

「弥生…さんは?」


「…あぁ…今日、入院したよ…。

俺が弥生を置いて弥生の家を飛び出して来たから…愛花に頼んだんだ…。」


「そう…。愛花さんに、迷惑掛けちゃったね…。」



「莉菜が気にすることはない。
早くケリをつけなかった俺の責任だ。」



---慎也…。



「今日は一晩入院した方がいいらしい。
明日退院できるそうだから昼休みに迎えに来るよ。」


「うん…。」



慎也は6人部屋の中を見回すと私のベッド周りに付いているカーテンを閉めた。


そしてゆっくりと顔を近付けて来た…。




「莉菜…会いたかった…。」




唇が触れる寸前で…








私は顔を反らした。



「莉菜?」



「ごめん、慎也…。」




「どうした?」


優しい口調だけど、困惑気味の慎也。




「弥生さんの…匂いがする…。」


慎也は私から離れて距離を置いた。




「慎也…私、慎也のこと信じてる。

だけど一つだけ聞いていい?」



「…あぁ…、何だ?」



「…この一週間近く弥生さんと二人で居て…


何も…



無かった?」

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