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夜が明けても傍にいて。

第34章 番外編③

少し奥さんは悩んでいるようだった…。


「他の御近所さんも頂いてくれてほんと、助かってるんです。せっかく作ったのに棄てる気にもならなくて…。」


俺がそう言うとやっと遠慮がちに顔を出してくれた。



「…わざわざすみません。」


「いやー、こちらこそ無理言ってごめんね?
どれも甘くて自信作なんだ。」


「!こんなに沢山?」


彼女は俺が持って来た量に驚いていた。


「あー、こんなに持てないか…。

ご主人…仕事だよね?」


「はい…。」


そんなこと聞かなくたって知ってるけど。


「じゃあ、俺が中に運んであげる。」


「え…い、いいえ…大丈夫です。少しずつ運びますから。」



俺を警戒してるのか?


「俺が運んだら一回で済むし、奥さんの綺麗な手も汚れないでしょ?」


「!!////…。」




やべ…。

つい、本音が出ちまった。


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