テキストサイズ

夜が明けても傍にいて。

第5章 切ないオフィス

呆然としていると


「お疲れ。」


課長は私の横を通りすぎて行った。


---待って...



「待って!!」


課長は立ち止まってくれたけど
振り返ってはくれない。




---好きです。



課長のことが、




北崎慎也さんのことが




大好きです。







「なんだ?面倒な話は勘弁してくれよ?」



好きだと言うことが
あなたにとって面倒な話なら...



「課長...


今夜も私を抱いてくれませんか?」





課長がゆっくりとこちらを向いた。




「お前...」




何を言ってもあなたが離れて行きそうで怖い。


それならせめて
私を拒まずに抱いてほしい。






なのに...







「わりぃ。


気分じゃ...




無くなった。」




気をつけて帰れ、と言い残して



“バタン”




あなたは扉の向こうに消えて行った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ