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夜が明けても傍にいて。

第6章 近くに居たい。傍にいたい。

私がイクまでに10分もかからなかった...。


「早すぎ。」

そう言って私を抱き締めてくれる慎也さん。


「慎也さん、上手すぎ。」



「サンキュ。」


嬉しそうにされると腹が立つ。


---どれだけ経験豊富なんだろう...。




いつもは一回イクまでに長い時間をかけるけど
今回は場合が場合だったから?


私もまだ少し余裕がある...。


このまま朝まで腕枕されながら話していたいな。



「慎也さん...。」



「なんだ?」



「面倒な話かもしれないけど
誕生日だからちょっとだけ大目に見て


私のお願い聞いてくれませんか?」


「...言ってみろ。」



「私の...名前知ってます?」


「あ?」


「下の名前、知ってますか?」


「---あぁ。」


「え?え?え?知ってるの?」


「知ってるって言ってんだろ。
うるせーな。」


部下の名前を知らないでどうするんだ、と言う慎也さんは明らかに照れている。


「じゃあ、呼んでみて下さい。

私の下の名前で呼んで下さい。」


「---嫌だ。

言ってみろ、と言っただけだ。
必ず聞くとは言っていない。」



「悪かったって言ってましたよね?
来るのが遅くなって悪かったって思ってるんですよね?


誕生日プレゼントとして

下さいよ。



一度だけでいいから



名前、呼んで下さい...。」



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