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夜が明けても傍にいて。

第7章 上司として?男として?

その朝はいつもよりも早く出勤した。
美穂から風邪で休むとメールがあったからだ。


美穂に頼まれた仕事をパパっとやってしまおう。
そう思ってパソコンに向かってカタカタ打っていると


誰かが出勤してきたようだったので振り返った。


!!---慎也さん--!!


「慎也さん...!」


---違った!


「か、課長、おはようございます。」


「フッ...おはよう、早いな。」


---笑った!


笑ってくれた!
しかも“早いな”ってオフィスでは貴重な一声!


テンションは最高潮だった。


オフィスに二人きり。


私は調子に乗った。


「課長...昨日はありがとうございました。」


会社でプライベートな話はやめろ、とか言われちゃうかな?


「私...すごく幸せな24歳の誕生日を過ごすことができました。」


課長は...いつも会社では見せない優しい目で私を見た。


そんな目で見つめられるとここが会社じゃなくて私の部屋の中なんじゃないかと勘違いしてしまいそう。




そして、




「お前...もう、」



課長が何かを言い掛けた時、









「おはようございまーす!」

邪魔者の登場で続きは聞けなかった。


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