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Love chance

第38章 綾人再び

蘭子は、書類を入れた
少し大きめの鞄を肩にかけながら

信号を渡り

地下鉄へ
おりていった


階段を降りる最中に
名前を呼ばれた気がした。
振り返ると
昔の笑顔がそこにあった。


河合 昌、、、、が 居た


ビクッと身体が硬直して
身構えながら
唇は、震えた。


「信号で、君を見かけたから
謝りたくて、、、あの日の事を」


波の音
暗い闇
エンジンの音

あなたの笑顔
指輪が無くなる日
あなたの嘘
憂鬱
怒り


全部が、、、身体を支配した。


下を向いたまま

「な。。何も話す事、ないです」

精一杯の言葉が空に消える


騙された、孤独、恨み辛み

この言葉が刃物になるなら
いま、貴方にどんどん言って
しまいそうだから、、。


「あの。。蘭子。。僕は君に、、、」



その言葉を遮り


蘭子は、地下へ逃げた



滑り落ちる様に、、、、地下へ

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