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助手席の蘭子さんは
顔色悪く窓に頭を寄せて
無表情になっていた。


「ねぇ。蘭子さんどこ連れてくの？
あんた誰だよ！」


運転席の窓を叩きながら
大声で叫んだ

窓が開いた

「君は、蘭子の友人かい？車を
寄せるから、歩道に居なさい。」


落ち着いた雰囲気の男性が
淡々と話した。


綾人が歩道で車を待つ
その間にルイから電話が鳴る


電話に出ながら
スカイラインが停まるのを見た。


綾人は、スカイラインが停車するなり助手席の扉を開けて
蘭子を外にだした。


「2度と俺の大切な人を傷つけるな！」と


言い残し


蘭子を抱きしめてビルの中に
入った。


見たことの無いビルの
空いている椅子に座り


ポケットからハンカチを出して
蘭子の濡れた髪を優しく拭いた
綾人の胸元に蘭子のオデコがあたる
ボソボソと蘭子の口が動く



綾人が「なぁに？らんちゃん」

「あたし、、、笑えてる？」

か細い声で言う


綾人は、「笑えてねーよ。無理すんなよ、、、もう無理すんなってば！！」


綾人がボロボロ涙をこぼす


涙が、蘭子の頬に落ちる



蘭子の涙と綾人の涙が交ざる



そして地上へ、、、、



何処かわからないビルの硝子の向こう側にスカイラインが此方を見ていた。


「もう泣かないのっ！！らんちゃんは、俺が護るからぁ！絶対に！」


綾人は、大泣きしながら
蘭子を抱きしめ


「ねぇ、、、苦しいよ、、、」


蘭子のかおが柔らかくなる