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Love chance

第44章 最後の雨

蘭子は、オフィスの珈琲カップを持ちながら
髪をかきあげ、スタスタ会議室へ向かう
何枚も何枚も磨き上げた
ガラスに映る、疲れた顔をした自分自身に萎えた。

「今日?翔太君は?やすみ?」

蘭子が、スタッフに聞く


スタッフの女性が「はい。今日は、お休みです」


親指の爪を噛みながら
椅子に座る蘭子。


少しの間、まだ、会議は、始まらない
目を閉じて
振り返る
海辺の約束や裏切り
それに慣れてしまった
渇いた自分に
なんだか、、、トホホだった。


長い間、綾人に会っていない


若いから
仕方ないって想うようにした。
冴えないアラフォーより
若い女性を選んだ綾人を
まだ、少し痛む感情を
蘭子は、無理矢理
仕事で誤魔化した。



携帯が鳴る


ルイのハスキーボイス。。



翔太の話を聞き、やはり、、、みんな
それぞれ
飛び立つのかと
感じた。


溜息と共に携帯を切る

作り笑いや冗談も
大人だから
大人だから、、、、。





携帯を握りながら




会いたい、、、、と


呟いた。

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