
地下病棟の秘密
第9章 わがままな担当患者
アリス「祐樹、本取って」
祐樹「はい」
アリス「祐樹、ジュース取って」
祐樹「はい」
アリス「祐樹」
祐樹「はい、ただ今」
キスの一件以来
微妙な雰囲気が続いていたが
細く不健康だったアリスの体も少しずつ
健康体へと
変わりつつあった
そしていよいよ明日には外科病棟へ戻り
明後日には手術を受ける
予定だった
祐樹「明後日いよいよ手術だね」
アリス「前に比べたら体力もついてきた
し大丈夫だよね」
祐樹「大丈夫、アリスちゃんは助かるよ
絶対」
アリス「うんっ…」
いつも強気なアリス
そんな彼女も一世一代の手術を前に
ただならぬ不安に襲われかなり緊張して
いる様子だった
祐樹「じゃあ夕方に」
アリス「うんっ…また後でね」
だけどこの時
祐樹はアリスの気持ちに
不安な心に気づいてあげられる事が出来
なかった
アリス「…」
