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地下病棟の秘密

第11章 仕事だから



絢子「お大事にしてくださいね」

田畑「はい」

絢子「じゃあ失礼します」

田畑「…」


適当に上手くごまかし仕事に戻った絢子
だけどやっぱり気になって
気になって…


絢子「あの…天野先生、涼先生は?」

看護師「梨華ちゃんのところ」

絢子「そうですか…」


梨華ちゃん
彼女は精神的な病で
特別診療科に移った20歳の大学生
親も友達も一度も見舞いに来る事はなく
いつも一人
寂しい思いをしている

涼は梨華の担当だから何度も呼ばれたり
病室に入り浸るのは仕方のない
事だったが…


絢子「…」

看護師「橋本さん?」

絢子「あ、っと…ちょっとトイレに」


行ったってしょうがない
見に行ったって自分が傷つくだけ

だけど絢子は…


梨華「ねぇ先生…」

涼「夜まで待つんじゃなかった?」

梨華「夜は夜、今は今なの」

涼「なるほどね」

絢子「…」


見に行ってしまった
後悔すると傷つくとわかっていながら
涼と梨華
二人の情事を…


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