
地下病棟の秘密
第16章 妹の大暴走
莉緒「…ただいま」
一足早く家に帰った莉緒
だけど家に絢子の姿はなく莉緒が一人
一人だけ…
莉緒「…!?」
♪~(携帯の着信音)
莉緒「…」
着信音が鳴り
待ち受け画面を確認すると
そこには見慣れた名前が表示されていた
その名前を見る度
莉緒の胸はときめき
切なくなる
莉緒「…何よ…今さら…」
鳴り止まぬ着信音
聞きたくないと耳を押さえた莉緒
しばらくすると着信音は鳴り止んだけど
代わりに
一通のメールが届いた
メールが…
莉緒「…」
メールは一行だけ…
『もう一度だけ会いたい』
それだけだった
莉緒「…」
たった一行のメール
用件を書いただけの簡単なメール
人の気持ちなど無視した一方的なメール
だけど…
莉緒「…!!」
気がついたら
莉緒は荷物をまとめていた
お気に入りの服がしわくちゃになるのも
構わず
テキパキと
服を詰めていった
