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未成熟の誘惑

第1章 caseはる

「いたぁい」



「それは結構」



腹に腕がまきつく。



私はひょいと持ち上げられた。



こんなことならもっと食べて、デブになっておくべきだった。



私はランドセルの警報機に手を伸ばす。



届かない。



なんだこれは、肝心な時に使えない。



「いいところにいこうね。はるちゃん」



いいところな訳がない。



私はゆさゆさ揺られて、車に投げ入れられて、それから。



「帰りたいよ」



「それだけは叶えられない。我慢してね。はるちゃん」

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